1950年代末から1960年代にかけて多くの強い相互作用をする粒子(ハドロン)が発見され、それらの分類とその構成の成り立ちについての考察が多数得られ始めた。超弦理論の元となった弦理論はこうした粒子間に働く強い力の性質を記述するために考え出された。
まず、1950年代はじめにレッジェは、ハドロンの散乱実験において、共鳴状態の静止質量の2乗とスピンとの間に直線関係があることを見出した(レッジェ軌道)。1968年にイタリアのガブリエル・ヴェネツィアーノは、レッジェ軌道を再現する非常に簡単な公式で「散乱振幅」として表現した。
その公式を元に、ハドロンは振動する弦であると発表したのが、1970年の南部陽一郎と1971年の後藤鉄男である。それぞれ独立に発表された彼らの弦理論では、ハドロンは粒子ではなく振動する弦から構成され、粒子はそれぞれの振動モードに対応するというものであった。ただしこの理論では、弦の振動に理論の不安定性を表すタキオンが含まれるという欠陥が内包されていた。
南部と後藤の弦理論ではボース粒子のみを記述していてフェルミ粒子は扱えないという問題もあったが、当時はフェルミ粒子を含めてボース粒子以外の記述を弦理論を拡張することで解を得ようという学者は少数派であった。1971年に、フランスのP.ラモン、A.ヌヴォ、アメリカのJ.シュワルツの3人によってボース粒子とフェルミ粒子の両方が扱える最初の超弦理論が提唱された。
第1次ストリング革命 [編集]
1984年、グリーンとシュワルツによって、10次元の超重力理論および超弦理論でアノマリーのない理論が存在することが示されると、超弦理論は脚光を浴びるようになった。 特にE8×E8のゲージ場を含むヘテロティック超弦理論において、理論の定義される10次元のうち余分な6次元をカラビ・ヤウ多様体でコンパクト化した理論は、低エネルギーで の超対称性を持つ理論が導かれ、重力を含む統一理論の候補として盛んに研究された。
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しかし、余分な6次元がコンパクト化されるメカニズムが不明であること、コンパクト化として可能な多様体の種類が無数にあり、その中から一つを選び出すことが摂動論の範囲では不可能であることなどの困難が存在した。
第2次ストリング革命 [編集]
1995年、ポルチンスキーによりDブレーンが超弦理論のソリトン解であることが示され、また、ウィッテンによりこれまで知られていた5つの超弦理論を統一する11次元のM理論が提唱されると、超弦理論は再び脚光を浴びることとなった。 この2つは、それまでに予想されていた種々の双対性(S双対性、T双対性)と組み合わせることで、これまで摂動論の範囲でしか定義されていなかった超弦理論の非摂動的な性質の理解を深めることとなった。 また、Dブレーンの低エネルギーでの性質は超対称ゲージ理論で記述されるため、ゲージ理論を用いて超弦理論の性質を調べること、逆に、Dブレーンの適当な配位を考えることでゲージ理論の非摂動的な性質を調べることが可能となり、精力的に研究された。
このDブレーンは、ブラックホールのエントロピーの表式を統計力学的に導出する際にも用いられ、超弦理論が重力の量子論であることの傍証となった。 また、マルダセナによるAdS/CFT対応は、まったく別の理論である超対称ゲージ理論と超重力理論が、ある極限のもとで等価となることを予想し、超弦理論や重力理論、ゲージ理論に対して新しい知見を与えることとなった。
超弦理論は、現時点では観測や実験事実を説明するまでには至っていないが、上記のようなブラックホールの問題への回答、宇宙論や現象論の模型への多大な影響、そしてホログラフィー原理の具体的な実現など、その成果を挙げるにはいとまがない。超弦理論に懐疑的な発言をしていたスティーヴン・ホーキングも、近年は超弦理論の成果を用いた研究を発表している。
一方で、Not Even Wrong[1](邦訳:ストリング理論は科学か)[2]を執筆したPeter Woit、THE TROUBLE WITH PHYSICS(邦訳:迷走する物理学)[3]を執筆したLee Smolinのように、超弦理論は誤っているだけでなく、物理学研究全体に有害であるとする反対派・懐疑派も存在している。
問題点 [編集]
『超弦理論』では現在のところ観測されていない10次元といった多数の次元を必要とする点で問題がある。超高エネルギーでの実験が可能ならばそのような次元を直接確認し、理論を検証できる可能性があるが、21世紀初頭の技術的展望では不可能だとされている。
超対称性理論と同様に、現在観測されている素粒子の倍程度の新粒子の存在を予言する。
重力の量子論の有力候補とされているものの、現在の超弦理論は背景依存の理論形式であり、背景独立でない理論は真の量子重力理論にはなり得ないという批判がある。
カラビ-ヤウ空間の形状などに依存して、膨大な数の超弦理論が存在し得る。そのようなパラメータを調整して、我々の宇宙の物理法則と適合する超弦理論を選び出すことは計算量の面から非常に困難なことが判明している。膨大な数の超弦理論が、それぞれ別の宇宙を表すとの考え方もあるものの、我々の宇宙の法則を得られなければ、実用理論としては意味が無いかもしれない。
このため超弦理論を正式な物理学上の仮説として扱うことに疑問を持つ物理学者も多く、超弦理論を研究する学者は物理学者ではなく弦理論研究者(String theorist)と区別されることもあった。[要出典]
しかしながら、現在も探求が行われている分野でもあり、かつまた、その研究の発展は数多くの大統一理論及び超統一理論の候補の一つとして、今も数多くの研究が行われている。